刑務所生活最後の運動会6
ビックマウスがコースアウトから復帰してアンカーの俺へとバトンが渡った時には、1位のチームは最終コーナーを回る所だった。
うちのチームの前を走るチームでさえ、半周くらいの差が付いていた。
俺は、こうなったらどう盛り上げて走ろうか⁉︎途中バク転⁉︎それともほそく前進⁉︎どうすれば盛り上がるんだ⁉︎という考えでしかなかった。
それなのに・・・ビックマウスときたら・・・俺にバトンを渡すときに・・・『お願いします』と言ってくるんだもん。
真剣な顔で・・・。
もうこの差の距離は厳しいだろう!と思ったのと、え⁉︎何をお願いしてるの⁉︎という驚きでパニックになりそうだった。
しかし、真剣にお願いされたら、こちらもその思いに、応えてやらないかんじゃん⁉︎という事でもう追いつく事は出来ないと分かっていたけど、俺は真剣に走った!
少し差は縮めたがやはり前のチームを抜かす事は出来ないな〜。と思った直後に奇跡が起きた。
前を走っていた奴が最終コーナーでコケた。
やったー!あいつは前日の雨で地面がグチャグチャで滑りやすくなっているのを忘れていたんだ!バカめ!
カーブはいつもよりスピードを落とさないとそうなるんだぜ!
これはいける!
俺はお前の二の舞は演じない!
運も実力のうちだ!
抜かさせてもらうぜ!という思いで慎重にカーブに差しかかった!
そして俺もコケた・・・。
でも、カッコ良くコケたんだ!
一回転して素早く立ち上がれたもん!
しかも俺がコケた事により勝ち負けに関係なく、その場が盛り上がってくれたから良しとしてあげていいんじゃない・・・⁉︎



その説は山口でお世話なりました
今年中に出れるのか心配と楽しみが混ざってます
返信に時間を要しますが必ず本人からお返事致します。コメントありがとうございます。
©️ソルジャーボーイ一樹の獄中戦記製作委員会